Orion 実装クックブック
コマンドライン・パラメータの追加
Orion に新しい CLI パラメータを追加するのは簡単です。これは、CLI パラメータのパーシングとチェックを担当するライブラリがあるためです。このライブラリ (parseArgs) は、最初のアクションの一つとして、contextBroker.cpp
のメイン・プログラムによって呼び出されます。CLI 引数をパーシングする関数は、parseArgs()
で、次の3つのパラメータがあります :
argC
, メイン・プログラムの引数の数argV
, メイン・プログラムの引数ベクトルpaArgs
, Broker が認識する CLI パラメータを記述するベクトル
基本的に2つのことを実装する必要があります :
- 新しい CLI パラメーターの値を保持する変数、および
PaArgument
ベクトルの新しい項目paArgs
新しいCLIパラメーターが -v
(verbose) のようなブール値の場合、bool
変数が必要です。-dbURI <MongoDB URI>
のようなテキスト・パラメータの場合は、char-vector が使用されるなどです。
最も簡単な方法は、同じタイプの古い CLI パラメータを単純にコピーすることです。
PaArgument
ベクトルの項目 paArgs
には、9つの異なる情報が含まれています :
- CLI オプションの名前
- パーシング後にその値を保持する変数へのポインタ
- 環境変数の名前 (はい、オプションには、環境変数も渡すことができます)
-
CLI パラメータ変数のタイプ :
PaBool
PaString
PaInt
PaDouble
- ... (
src/lib/parseArgs/parseArgs.h
のPaType
enum を参照してください)
-
CLI パラメータ自体のタイプ :
PaOpt
, オプションのパラメータPaReq
, 必須パラメータPaHid
, 隠しパラメータ (usage()
で表示されません)
- デフォルト値 (パラメータが指定されていない場合に使用される値)
- 最小値 (最小値が必要ない場合に、
PaNL
を使用) - 最大値 (最大値が必要ない場合に、
PaNL
を使用) usage()
関数に使用される説明の文字列
注意 :
- Boolean CLI パラメータは2つだけの可能な値をとることができます : true か false。コマンドラインには値は追加されず、オプション自体だけが追加されます。例えば、ちょうど
-port <port number>
とは対照的な-fg
です - あまり意味がありませんが、文字列には最小値と最大値はありませんので、
PaNL
は、常に文字列に使用されます PaArgument
の2番目の項目はポインタでなければならないので、文字列 (文字ベクトルはポインタ) でなければ、値を保持する変数の参照 (&x
) を渡す必要がありますPaArgument
(デフォルト値) の6番目の項目は整数 (long long
) です。したがって、デフォルト値が文字列の場合、整数に型キャストする必要があります。これには特別なマクロ(_i
)があります
例 : 整数の CLI パラメータ -xyz
を追加
現実的な例として、-xyz
と呼ばれる整数の CLI パラメーターを追加することができます。
src/app/contextBroker/contextBroker.cpp
を編集して、既存の整数 CLI パラメータを検索します。
-
整数変数
xyz
を作成します。ここでint port
はOption variables
コメントを検索します -
xyz のために、
PaArgument
の行を追加しますPaArgument paArgs[]
を検索してください- そのベクトルの中で、4番目の項目として
PaInt
を持つベクトル項目を探します :-port
パラメータが見つかります :
{ "-port", &port, "PORT", PaInt, PaOpt, 1026, PaNL, PaNL, PORT_DESC },
- その行をコピーし、コピーした行で、
port
をxyz
に変更します。以下の通りです :
{ "-port", &port, "PORT", PaInt, PaOpt, 1026, PaNL, PaNL, PORT_DESC }, { "-xyz", &xyz, "XYZ", PaInt, PaOpt, 1026, PaNL, PaNL, XYZ_DESC },
-
PORT_DESC
の直後に、説明文字列XYZ_DESC
を作成します -xyz
が "必須オプション" である場合、PaOpt
をPaReq
に変更します。隠しパラメータの場合は、PaHid
です-xyz
のデフォルト値の1026
を変更します。たとえば、47
-xyz
の最小値と最大値を設定します (PaArgument
行内の項目7と項目8)- Brokerをコンパイルします (
make debug install
) contextBroker -u
を実行すると、以下が表示されます (PaHid
使用されていない限り) :[option '-xyz <description of xyz>]
contextBroker -U
を実行すると、デフォルト値、最小値、最大値など、CLI パラメータに関する詳細が表示されます-xyz
に最小/最大制限を指定した場合は、無効な値で Broker を起動して、それが不正であることを確認してください-xyz
にPaReq
を作成した場合は 、-xyz
を指定しないで、Broker を起動して、何が起こるかを見てください-xyz
にPaHid
を作成した場合は、contextBroker -u
の実行中に、それが見えないことを確認してください
オプションとしての環境変数に関する注意 :
- 組み込み環境変数には
ORION_
というプレフィックスが付きます (paConfig("builtin prefix", ...)
へのコールを見てください)-t
,-logDir
などの組み込み CLI オプションは、それらの環境変数ためのプレフィックスを得ます
PaArgument
ベクトル・項目の3番目の項目に XYZ
という環境変数名を指定した場合、プレフィックスを尊重して、ORION_XYZ
と呼んでください。つまり、実際にはオプションのために環境変数を使用したことはなく、ORION_
プレフィックスは現在の実装では尊重されていません。これはちょっと残念ですが、修正するのは本当に簡単です (もちろん、下位互換性の問題は数えません;-))
ただし、環境変数と各 CLI オプション の詳細情報を表示するために -U
CLI オプションを試してください。
環境変数を使用して CLI オプションを設定するには、これをテストとして実行します :
% export FOREGROUND=1
% contextBroker -U # UPPERCASE U !
Extended Usage: contextBroker [option '-U' (extended usage)] TRUE /FALSE/ (command line argument)
...
[option '-fg' (don't start as daemon)] FOREGROUND TRUE /FALSE/ (environment variable)
...
% unset FOREGROUND
-fg
オプションの (environment variable)
と書いてある右端の列に注意してください。
言って一番右の列に注意(environment variable)するために -fg
オプションを選択します。これは、-fg
の値が環境変数 (FOREGROUND
) から取得され、FOREGROUND
が存在する (設定されていない) 限り、Orion はフォアグラウンドで起動します。
REST サービスの追加
Orion Context Broker がサポートする REST サービスは、orionRestServices.cpp にある 7つの RestService
なベクトル restServiceV
の項目です。Orion がサポートする HTTP Method/Verb ごとに1つのサービス・ベクトルがあります。GET, PUT, POST, PATCH, DELETE, OPTIONS および 'bad verb' の特殊なベクトルです。サポートされているサービスのセットはたくさんの役割を定義し、1つの RestService
ベクトルまたは他のもので REST インタフェースを起動することによって、broker ができることを定義します。そのすべてのサービスはこれらの7つのベクトルに含まれます。
Orion に REST サービスを追加するには、RestService xxxServiceV[]
(サービスの動詞である xxx
(get
, put
など)) の新しい項目が必要です。CLI パラメータと同様に、最も簡単な方法は、古いサービス (xxxServiceV
の項目) をコピーし、必要に応じてコピーを変更することです。
RestService
ベクトル のこの新しい項目を理解するには、src/lib/rest/RestService.h
の構造体 RestService
を見てください :
typedef struct RestService
{
RequestType request; // The type of the request
int components; // Number of components in the URL path
std::string compV[10]; // Vector of URL path components. E.g. { "v2", "entities" }
RestTreat treat; // service function pointer
} RestService;
だから、RestService ベクトル putServiceV
が次のような場合、例えば PUT /v2/entities/{EntitId}/attrs/{AttributeName}/metadata/{MetadataName}
のような、REST サービスを追加します :
{ Metadata, 7, { "v2", "entities", "*", "attrs", "*", "metadata", "*" }, "", putMetadata }
注意 :
- 項目1 :
Metadata
は、src/lib/ngsi/Request.h
のenum RequestType
の enum 定数として追加されなければなりません - 項目3 :
"*"
。コンポーネント・ベクトルRestService::compV
のアスタリスクは ANY 文字列と一致し、エンティティ ID、属性名などを含むパスが定義されている場合は必ず、"*"
を必ず使用する必要があります - 項目5 :
putMetadata()
は、PUT /v2/entities/*/attrs/*/metadata/*
のサービス・ルーチンであり、関数を実装しなければなりません。NGSIv2 サービス・ルーチン用のライブラリのディレクトリは、src/lib/serviceRoutinesV2
です。ライブラリの説明を参照してください
また、orionRestServices.cpp
では、これらのRestService
ベクトル行は実際には長く、スタイル・ガイドは長すぎる行に反していることに注意してください。 しかし、定義を使用して行を短くするだけでは、コードを理解しにくくなるので、必要ではありません。
サイドノート : スタイル・ガイドによれば、ソースコードの行は 120文字を超えるべきではありません (shouldn't)
サービス・ルーチン putMetadata()
は、src/lib/serviceRoutinesV2/putMetadata.h/cpp
に常駐し、署名は次のようにする必要があります :
std::string putMetadata
(
ConnectionInfo* ciP,
int components,
std::vector<std::string>& compV,
ParseData* parseDataP
)
entity id
, attribute name
および metadata name
(URL パスのすべての部分)、成分ベクトル compV
から"extracted (抽出)" されなければなりません :
std::string entityId = compV[2];
std::string attributeName = compV[4];
std::string metadataName = compV[6];
エンティティ/属性/メタデータを変更/作成するすべてのサービス・ルーチンは、NGSIv1 サービス・ルーチン postUpdateContext()
に依存しており、putMetadata()
も例外ではありません。したがって、putMetadata()
では、putMetadata()
のパラメータを使って、 UpdateContextRequest
オブジェクトを構築し、postUpdateContext()
を呼び出す必要があります。このようなもの :
parseDataP->upcr.res.fill(entityId, attributeName, metadataName, ActionTypeAppend);
postUpdateContext(ciP, components, compV, parseDataP, NGSIV2_FLAVOUR_ONAPPEND);
UpdateContextRequest
は、一連の fill()
メソッド (2017年3月現在7つの fill()
メソッド) を持ち、putMetadata()
で要求に適した fill メソッドがない場合は、UpdateContextRequest
に fill メソッドを自走する必要があります。
これは簡単で、古い、同様の fill メソッドからコピーするだけです。
CMake ファイル src/lib/serviceRoutinesV2/CMakeLists.txt
に putMetadata.cpp
を追加し、broker をコンパイルしてください。putMetadata()
が正しく動作することをテストするためには、新しい機能テスト・ケースを実装する必要があります。 次のレシピでその方法を説明しています。
"POST/PATCH/XXX /v2/entities//attrs//metadata/*" をキャプチャして、405 Method Not Allowed
でレスポンスするには、バッド・メソッド (bad method)に関するレシピを見てください。
機能テスト・ケースの追加
Orion の機能テストは、.test
のサフィックスを持つ、テキスト・ファイルで、test/functionalTest/cases/{case-dir}
にあります。"case directories"は、github の issues の後に名前が付けられます。
いつものように、新しい機能テストを実装する最も簡単な方法は、古いものから "steal (盗む)" することです。
機能テストファイルには、次の6つのセクションがあります :
- 著作権のセクション
- NAME セクション
- SHELL-INIT セクション
- SHELL セクション
- REGEXPECT セクション
- TEARDOWN セクション
各セクション (ファイルの先頭から始まる著作権プリアンブルを除く) には、すべてのセクションが開始/終了する機能テスト・ハーネスを示すヘッダが必要です :
--NAME--
--SHELL-INIT--
--SHELL--
--REGEXPECT--
--TEARDOWN--
著作権のセクション
このセクションは単に著作権のヘッダです。古いものをコピーしてください。必要に応じて、年を変更することを忘れないでください。
NAMEセクション
このセクションにテストの名前を記入してください :
--NAME--
Example Test Case
SHELL-INIT セクション
ここで初期化タスクが実行されます。次のように :
- データベースの抹消
- Broker の起動
- コンテキスト・プロバイダの起動
- アキュムレータの起動
例 (通常の場合) :
--SHELL-INIT--
dbInit CB
brokerStart CB
accumulatorStart
既存のテスト・ケース test/functionalTest/cases/1016_cpr_forward_limit/fwd_query_limited.test
から "stolen (盗用した)" Broker と5つのコンテキスト・プロバイダの例 :
--SHELL-INIT--
dbInit CB
dbInit CP1
dbInit CP2
dbInit CP3
dbInit CP4
dbInit CP5
brokerStart CB 0 IPV4 "-cprForwardLimit 3"
brokerStart CP1
brokerStart CP2
brokerStart CP3
brokerStart CP4
brokerStart CP5
Microsoft Windows と Mac で使われる典型的な形式である、"CRLF ライン・ターミネータ付き ASCII テキスト" 形式 を使って、テスト・ファイルに問題があることを発見しました。例 :
$ file path/to/sample_test.test
path/to/sample_test.test: ASCII text, with CRLF line terminators
したがって、ファイルが通常の ASCII 形式を使用するようにすることをお勧めします。dos2unix
のようないくつかのツールを使用して自動変換を行うことができます。最後に、次のようなものが必要です :
$ file path/to/sample_test.test
path/to/sample_test.test: ASCII text
SHELL セクション
Broker は SHELL-INIT セクションで起動され、このセクションでは、curl コマンドおよび、その他のコマンドが実行され、リクエストを Orion に送信して機能テストを実行します。
orionCurl
と呼ばれるシェル・セクションを読みやすく実装するために呼び出されるシェル関数が実装されています。orionCurl
の実装、および他の多くのヘルプ機能が test/functionalTest/harnessFunctions.sh
の中に見つかります。
シェルセクションの各ステップは、次のような短い記述的なヘッダで始まることに注意してください。
echo "0x. description of test step 0x"
echo "==============================="
これらのステップは、現在のステップを出力の次のものから分離するために、echo
を2回呼び出すことで終了します。 これは非常に重要なことです。出力を読むのがずっと簡単です。それは、REGEXPECT セクションに続くセクションに一致する必要があります。
エンティティの作成などの典型的なステップは次のようになります :
echo "01. Create entity E1 with attribute A1"
echo "======================================"
payload='{
"id": "E1",
"type": "T1",
"A1": {
"value": 1,
"type": "Integer",
"metadata": {
"md1": {
"value": 14
}
}
}
}'
orionCurl --url /v2/entities --payload "$payload"
echo
echo
REGEXPECT セクション
まず、テストハーネス (test/functionalTest/testHarness.sh
) は、2つのタイプの 'expect sections' を認めます。いずれか :
--REGEXPECT--
正規表現を REGEX()
構文を使用して追加できることです。これは日付の比較や Orion によって作成され、レジストレーション id や 相関器 (correlator)、単純なタイムスタンプのような、レスポンスで返された IDs の比較にとって非常に重要です。重要な制限は、REGEXPECT セクションには、1行に REGEX が1つしかないということです。
つまり、問題のテスト・ステップからの予想される出力を追加します。たとえば、SHELL セクションについての上記のサブ・チャプターの例 "01. Create entity E1 with attribute A1" は、 この対応する部分を --REGEXPECT-- セクションに置いてください :
01. Create entity E1 with attribute A1
======================================
HTTP/1.1 201 Created
Content-Length: 0
Location: /v2/entities/E1?type=T1
Fiware-Correlator: REGEX([0-9a-f\-]{36})
Date: REGEX(.*)
2行目の最初の行の後に出てくるものは、orionCurl
から出てくるものは、最初に HTTP ヘッダであり、その後は最終的なペイロードです。この例では、ペイロードはありません。
相関器 (correlator) と日付の REGEX()
の二つの出現に注目してください :
- 相関器 (correlator) は36文字の文字列で、ハイフンを含む16進数です。この正規表現は、各ハイフンがどこに来なければならないかを正確に知るようになりましたが、実際には必要ではありません
Date
HTTP ヘッダの2番目の REGEX もより詳細に記述できます。また必要ありません
REGEXPECT セクションにはコメントを含めることができます。--REGEXPECT--
セクション内の ##
で始まる行は無視されます。
TEARDOWN セクション
ここでプロセスが強制終了され、データベースが削除されるため、次のテスト・ケースがクリーン・スレートで開始されます。最も一般的なコマンドは次のとおりです :
--TEARDOWN--
brokerStop CB
dbDrop CB
アキュムレータが使用される場合、またはアキュムレータが使用される場合は、アキュムレータも停止する必要があります :
accumulatorStop
brokerStop CP1
brokerStop CP2
機能テストでは、コンテキスト・プロバイダとして機能する Orion のインスタンスを開始することに注意してください。コンテキスト・プロバイダとして機能するインスタンスのログ・ファイル・ディレクトリおよびポート番号などが変更されます。CP1_PORT
, CP2_PORT
などの変数については、scripts/testEnv.sh
を参照してください。
そして、データベース (テナント) は一掃されなければなりません :
dbDrop CP1
dbDrop CP2
テナントが Orion と一緒に使用されている場合は、コンテキスト・プロバイダとは対照的に Orion と同様に動作します :
orionCurl --tenant T1 --url /v2/entities --payload "$payload"
tenant T1 (データベース名 ftest-T1) も抹消する必要があります :
dbDrop t1
T1
ではなく、t1
が使われていることに注意してください。 これは、Orion がテナントをすべて小文字に変換するためです。
機能テスト・ケースのデバッグ
場合によっては、テスト・ケース (つまり.test ファイル) をデバッグする必要があります。たぶん、既存の .test は、コードのいくつかの変更のために失敗し始めました。あるいは、新しい .test として報告されているバグかもしれません。(新しいバグを報告する好ましい方法です! :)
いずれにせよ、デバッガ (例えば、
gdb
または、いずれかの
グラフィカル・フロントエンド
) で Orion を実行し、そのテストを "input" として実行すると便利かもしれません。
このようにして、プログラム・ロジックが実行されるときに、
ブレークポイントの設定、ステップ・バイ・ステップの実行の使用、関数呼び出しの
スタックと変数の検査などを行うことができます。
この目的のために、機能テスト・スイートには ontextBroker 自体を開始しないように
スイートに指示する CLI がありますが、contextBroker はすでに開始されていると
想定し、その "external contextBroker" に対してテストを実行するだけです。
この CLI オプションは --xbroker
と呼ばれます。
--xbroker
スイッチに関するいくつかの注意を考慮してください :
- これは単一のテスト・ケースに対してのみサポートされています。つまり、
テスト・ファイルをパラメータとして
testHarness.sh
を実行する必要があります - テストに関与している contextBrokers (メインの context broker と コンテキスト・
プロバイダとして機能している broker) のいずれも起動しません。
場合によっては、1つの broker だけをデバッグし、他の broker を機能テスト・
スイートで開始させる必要があるかもしれません。そのような場合、
--xbroker
は 使用すべきではありません。代わりに .test ファイルを編集して無効にする 必要があるbrokerStart
(そして対応するbrokerStop
行) をコメント・アウト してください (そして後で変更を元に戻すのを忘れないでください!)
testHarness.sh
を実行する前に、gdb, valgrind あるいはデバッグに好都合な
プログラムのいずれかで実行している "external contextBroker"を
起動しなければなりません。
場合によっては、dbDrop
行をコメント・アウトするのが得策かもしれないんので、
テストが終了した後に DB を見ることができます。デバッグが終了したら、必ず
.test ファイルの dbDrop
行を復元してください
( git checkout
でテストファイルを元に戻すだけです)。
"external contextBroker" を開始するときは、機能テスト・フレームワークで 使用されるポートとデータベースに対応するため、次の CLI パラメータを使用することが重要です :
-db ftest -port 9999
さらに、次の他の CLI パラメータは、デバッガでの実行に役立ちます :
-fg (to run in foreground)
-logLevel INFO (to have useful information in /tmp/contextBroker.log file)
-httpTimeout 100000 (to avoid problems with timeout, e.g. due to you are holding in a breakpoint for a long time)
-reqTimeout 0 (also to avoid problems with timeouts)
-noCache (in some cases, cache management adds "noise" to logs; this flag disables it)
最後に、test_to_debug.test
の機能テストを実行します :
CB_MAX_TRIES=1 /path/to/testHarness.sh /path/to/test_to_debug.test
テストはデバッガで実行されている contextBroker プロセスに対して実行を開始します。 そのため、.test のケースを通過した場所にブレークポイントを設定した場合、 実行はそこで停止し、GDB の場合と同様に、ステップ実行などが可能です。
'405 Method Not Allowed' のキャッチ
Orion はリクエストをサポートしています :
GET /v2/entities/{EntityId}
DELETE /v2/entities/{EntityId}
しかし、POST /v2/entities/{EntityId}
が Broker に発行された場合はどうなりますか?
まあ、POST /v2/entities/{EntityId}
サポートされていないので、通常は、404 Not Found
の結果になります。しかし、Orion は、サービス・ルーチン badVerbGetDeleteOnly()
で URL /v2/entities/{EntityId}
の ANY メソッドをキャッチするため、Orionは、405 Method Not Allowed
でレスポンスできます。URL は OK ですが、動詞/メソッドはサポートされていません。
contextBroker.cpp
と入力して、このセクションを検索してください :
#define API_V2 \
{ "GET", EPS, EPS_COMPS_V2, ENT_COMPS_WORD, entryPointsTreat }, \
{ "*", EPS, EPS_COMPS_V2, ENT_COMPS_WORD, badVerbGetOnly }, \
\
{ "GET", ENT, ENT_COMPS_V2, ENT_COMPS_WORD, getEntities }, \
{ "POST", ENT, ENT_COMPS_V2, ENT_COMPS_WORD, postEntities }, \
{ "*", ENT, ENT_COMPS_V2, ENT_COMPS_WORD, badVerbGetPostOnly }, \
{ "GET", IENT, IENT_COMPS_V2, IENT_COMPS_WORD, getEntity }, \
{ "DELETE", IENT, IENT_COMPS_V2, IENT_COMPS_WORD, deleteEntity }, \
{ "*", IENT, IENT_COMPS_V2, IENT_COMPS_WORD, badVerbGetDeleteOnly }, \
最後の3行は興味深いものです。
このセクションの前に、次の定義が行われます :
#define IENT EntityRequest
#define IENT_COMPS_V2 3, { "v2", "entities", "*" }
#define IENT_COMPS_WORD ""
""
だから、このように :
- URL パス
/v2/entities/{EntityId}
を持つリクエストとGET
メソッドが Brokerに入ると、サービス・ルーチンgetEntity()
がリクエストを処理します - メソッドが代わりに "DELETE" の場合、
deleteEntity()
がリクエストを処理します - 他の動詞 (POST, PUTなど) の場合、
badVerbGetDeleteOnly()
は、リクエストを処理します。badVerbGetDeleteOnly()
リクエストを処理するとき、レスポンスは405 Method Not Allowed
となり、HTTP ヘッダAllow: GET, DELETE
がレスポンスに含まれます。
注 : この例で使用されているクラス/関数の一部は、コード内に存在しなくなりました (ContextElementVector クラスなど)。 ただし、この例は、メモリリークのデバッグ方法を示すためにも有効です
メモリ・リークの修正
メモリ・リークは、valgrind memcheck を使用して検出されます。特別なシェル・スクリプト test/valgrind/valgrindTestSuite.sh
がこの目的のために開発され、make のステップがそれにリンクされています : make valgrind
valgrindTestSuite.sh
を手動で実行する場合は、Orion を動作させるために DEBUG モードでコンパイルする必要があることに注意してください (make debug install
)
valgrind の出力は、テスト・ケースと同じ名前のファイルに保存されますが、サフィックス valgrind.out
は付いています。
通常、Broker にはメモリ・リークはありませんので、メモリ・リークを伴う動作を行うには、一時的にメモリ・リークを追加する必要があります :
- お気に入りのエディタで
src/lib/ngsi10/UpdateContextRequest.cpp
ファイルを開きます - メソッド
UpdateContextRequest::release()
を見つけ、contextElementVector.release()
の呼び出しをコメントにします :
void UpdateContextRequest::release(void)
{
// contextElementVector.release();
}
- Broker を再コンパイルします :
make debug install
- リークを確認するために使用するテスト・ケース
UpdateContextRequest
に対して、valgrind テストを実行します :
``` % valgrindTestSuite.sh -filter in_out_formats.test
Test 001/1: 0000_content_related_headers/in_out_formats ..... FAILED (lost: 2000). Check in_out_formats.valgrind.out for clues
1 tests leaked memory: 001: 0000_content_related_headers/in_out_formats.test (lost 2000 bytes, see in_out_formats.valgrind.out) ```
- ファイル
test/functionalTest/cases/0000_content_related_headers/in_out_formats.valgrind.out
を開きます - 文字列 "definitely lost" を検索します :
==19688== 2,000 (544 direct, 1,456 indirect) bytes in 4 blocks are definitely lost in loss record 313 of 318
==19688== at 0x4A075FC: operator new(unsigned long) (vg_replace_malloc.c:298)
==19688== by 0x6EABD4: contextElement(std::string const&, std::string const&, ParseData*) (jsonUpdateContextRequest.cpp:50)
==19688== by 0x6A7CF7: treat(ConnectionInfo*, std::string const&, std::string const&, JsonNode*, ParseData*) (jsonParse.cpp:180)
==19688== by 0x6A9935: jsonParse(ConnectionInfo*, std::pair<std::string const, boost::property_tree::basic_ptree<std::string, std::string, std::less<std::string> > >&, std::string const&, JsonNode*, ParseData*) (jsonParse.cpp:376)
==19688== by 0x6AA0BF: jsonParse(ConnectionInfo*, std::pair<std::string const, boost::property_tree::basic_ptree<std::string, std::string, std::less<std::string> > >&, std::string const&, JsonNode*, ParseData*) (jsonParse.cpp:416)
==19688== by 0x6AA94A: jsonParse(ConnectionInfo*, char const*, std::string const&, JsonNode*, ParseData*) (jsonParse.cpp:532)
==19688== by 0x6A3E6F: jsonTreat(char const*, ConnectionInfo*, ParseData*, RequestType, std::string const&, JsonRequest**) (jsonRequest.cpp:232)
==19688== by 0x688C42: payloadParse(ConnectionInfo*, ParseData*, RestService*, JsonRequest**, JsonDelayedRelease*, std::vector<std::string, std::allocator<std::string> >&) (RestService.cpp:122)
==19688== by 0x68B112: restService(ConnectionInfo*, RestService*) (RestService.cpp:543)
==19688== by 0x67E8E7: serve(ConnectionInfo*) (rest.cpp:561)
==19688== by 0x683E4A: connectionTreat(void*, MHD_Connection*, char const*, char const*, char const*, char const*, unsigned long*, void**) (rest.cpp:1550)
==19688== by 0x850B78: call_connection_handler (connection.c:1584)
さて、スタックフレーム#2を見て、リークが、jsonUpdateContextRequest.cpp
の 50行名 (正確な行番号があなたのケースで、わずかに異なる場合があります) の contextElement()
への呼び出しから来ているようです。UpdateContextRequest::release()
で ContextElementVector::release()
の呼び出しをコメントしたので、私たちはこのリークをなぜ持っているのかはすでに知っていますが、割り当てが行われる場所と、 非常に異なるものは、アロケートされたオブジェクトが解放されるべき場所です。
これは、フリー/削除の呼び出しをどこで行うべきかを知り、リークを修正するのは難しい作業です。それはしばしば明らかですが、必ずしもそうではありません。まれに、リークを修正しようとするとき、割り当てられたバッファをすぐに解放する、つまり前回使用する前に解放するため、すべてのリークが修正された時点ですべての機能テストが完全に機能することを確認することが非常に重要です。jsonUpdateContextRequest.cpp
で見つかったリークを想像してください。バッファが割り当てられた直後に解放され、そこから ContextElementVector::release()
の間にバッファが使用されると、おそらく SIGSEGV が発生します。