コンテキスト・プロバイダのレジストレーションとリクエスト転送

レジスター・コンテキストのオペレーションは、そのレジストレーションに含まれるエンティティ/属性のコンテキスト情報の_ソース_を識別する URL である、"コンテキスト・プロバイダ" という概念を使用します。

この_ソース_ (url) は、provider によって提供されます :

...
"provider": {
  "http": {
    "url": "http://mysensors.com/Rooms"
  }
}
...

Orion がクエリまたは更新オペレーションを受信して、ターゲットのコンテキスト要素をローカルに、(つまり内部データベースに見つけることができなくても、そのコンテキスト要素にコンテキスト・プロバイダがレジストレーションされている場合、Orion はクエリ/更新要求をコンテキスト・プロバイダに転送します。この場合、Orion は純粋な "NGSI proxy" として機能します (つまり、Orion はクエリの結果を内部的にキャッシュしません)。元のリクエストを発行したクライアントの観点から見ると、プロセスはほとんど透過的です。コンテキスト・プロバイダは、クエリ/更新オペレーションをサポートするために (少なくとも部分的に) NGSI API を実装する必要があります。

これを例を使って説明しましょう。

  • 最初 (メッセージ番号1)、アプリケーションは (おそらくコンテキスト・プロバイダに代わって) Orion に Street4 の温度用のコンテキスト・プロバイダをレジストレーションします。コンテキスト・プロバイダが http://sensor48.mycity.com/v2 で API を公開していると仮定しましょう
curl localhost:1026/v2/registrations -s -S -H 'Content-Type: application/json' -H 'Accept: application/json' -d @-  <<EOF
{
  "dataProvided": {
    "entities": [
      {
        "id": "Street4",
        "type": "Street"
      }
    ],
    "duration": "P1M"
    "attrs": [
      "temperature"
    ]
  },
  "provider": {
    "http": {
      "url": "http://sensor48.mycity.com/v2"
    }
  }
}
EOF
  • 次に、クライアントが 温度 (メッセージ番号2) をクエリするとします
curl localhost:1026/v2/entities/Street4/attrs/temperature?type=Street -s -S \
    -H 'Accept: application/json' -d @- | python -mjson.tool
  • Orion は Street4 の温度を知りませんが、(前のステップでのレジストレーションにより) http://sensor48.mycity.com/v2 が Street4 の温度を知っていることを知っているので、クエリを URL http://sensor48.mycity.com/v2/entities に転送します (すなわち、レジストレーション時に url フィールドで使用された URL の PATH に "/entities" を追加します)

NGSIv2 転送が使用されている場合、転送されたクエリは次のようになります。 (クライアントのリクエストのように) なぜ、GET /v2/entities が使われないのか 不思議に思うかもしれません。これは、クエリが異なるタイプの複数の エンティティを含むとき、このオペレーションに制限があるためです (POST /v2/op/query は完全に表現力があり、その制限はありません)。

POST http://sensor48.mycity.com/v2/op/query

{
  "entities": [
    {
      "id": "Street4",
      "type": "Street"
    }
  ],
  "attrs": [
    "temperature"
  ]
}
  • http://sensor48.mycity.com/v2 のコンテキスト・プロバイダは、ペイロード (メッセージ番号4) でレスポンスします :
[
  {
    "id": "Street4",
    "type": "Street",
    "temperature": {
      "value": "16",
      "type": "float"
    }
  }
]
  • Orion はクライアントへのレスポンスを転送します (メッセージ番号5)
{
   "value": 16,
   "type": "Number
}

いくつかの追加のコメント :

  • -httpTimeout CLI パラメータは、CPr のタイムアウトを設定するために使用します。CPr に転送されたリクエストがそのタイムアウトを超えている場合、Orion は接続をクローズし、CPr がレスポンスしていないとみなします
  • 特定のリクエストが複数のコンテキスト・プロバイダ (例えば、3つのコンテキスト要素を含む更新で、それぞれが異なるコンテキスト・プロバイダによって管理されるエンティティ) が含まれる場合、Orion はリクエストの対応する "ピース (piece)" を各コンテキスト・プロバイダに転送し、クライアントにレスポンスする前にすべての結果を収集します。現在のインプリメンテーションは、複数の転送をを順番に処理します。つまり、Orion は、転送リクエストを送信する前に、前の CPr からのレスポンス、またはタイムアウトの期限切れを待ちます。
  • -cprForwardLimit CLI パラメータを使用して、単一のクライアントリクエストに対するコンテキスト・プロバイダへの転送リクエストの最大数を制限することができます。コンテキスト・プロバイダの転送を完全に無効にするには、"0" を使用します
  • 転送時には、NGSIv2 の更新/クエリ内のどの型のエンティティも、エンティティ型のないレジストレーションと一致します。しかし、その逆は機能しないので、型を持つレジストレーションがあれば、NGSIv2 の更新/クエリで ?type を使って一致を得る必要があります。それ以外の場合、この StackOverflow での投稿のような問題が発生する可能性があります
  • クエリの転送では、クエリ・フィルタリングはサポートされていません (たとえば、GET /v2/entities?q=temperature>40)。まず、Orion は CPr に転送された POST /v2/op/query オペレーションにフィルタを含めません。第2に、Orion はクライアントに返信する前に CPr の結果をフィルタリングしません。この制限に対応する issue が作成されました : https://github.com/telefonicaid/fiware-orion/issues/2282
  • 部分的な更新の場合 (たとえば、いくつかのエンティティ/属性が更新され、他のエンティティ/属性が CPrs の失敗または欠落のために 更新されない結果をもたらす POST /v2/op/update)、404 Not Found がクライアントに返されます。 この場合の error フィールドは PartialUpdate です。description フィールドは部分更新に対応する属性のリストを含みます。 NGSIv1 CPr の場合、CB への CPr レスポンスは、部分更新で更新されなかった属性を正確に返します。NGSIv2 CPr の場合、Orion への CPr レスポンスは、どの属性が更新されたのか、およびどの属性が部分更新に含まれていなかったのかについての情報を 提供しません。したがって、一般的な場合では、 description の属性のリストは更新されていない 少なくとも1つの 属性 (最大でそれらすべて) を含んでいます。NGSIv1 CPrs のみが転送に関与している場合、リストは更新されなかった属性のみを 正確に識別します。
  • CPrs への転送をスキップするために、クエリで skipForwarding オプションを使用できます (例: GET /v2/entities?options=skipForwarding)。この場合、クエリは CB ローカル・コンテキスト情報のみを使用して評価 されます。skipForwarding を転送しても効果がないことに注意してください (更新をローカルで CB に解釈する場合は、 追加/作成セマンティクスを使用して更新要求を使用するだけです)。

コンテキスト・プロバイダによるページネーション

エンティティ・クエリ (GET /v2/entities) の pagination 機能は、コンテキスト・プロバイダでも機能します。 limit パラメータと offset パラメータは、次の順序でエンティティに適用されます:

  • まず、コンテキスト・プロバイダ自体に格納されるエンティティ
  • 次に、コンテキスト・プロバイダに格納されているエンティティがレジストレーション時間順に並べられます (つまり、レジストレーション時間の 短いコンテキスト・プロバイダのエンティティが、レジストレーション時間の長いコンテキスト・プロバイダのエンティティの前に並べられます)

これがどのように機能するかの詳細な例については、このテスト ケース を参照してください。

追加の考慮事項:

  • fiware-total-count ヘッダで返されるカウントには、Context Broker と コンテキスト・プロバイダに保存されているエンティティの合計が含まれます
  • この場合、orderBy は機能しないことに注意してください。
  • NGSIv2 ベースのコンテキスト・プロバイダでのみ動作します (NGSIv1 CPr は非推奨です)